しあわせのかたち
……それよりも。

今の状況、どうしよう……

恥ずかしすぎる。


足元がふらついていたのもあり、私は碓井主任に引っ張られた反動で、碓井主任の腕の中にすっぽりとおさまっていた。

しかも、碓井主任は抱きしめるように、私の腰に手を回しているし。

尋常じゃないくらいドキドキしている私は、助けを求めるように、顔だけ振り向き弥生に助けを求める。


「それじゃぁ、主任。よろしくお願いします」


だけど、弥生はそんな私を無視して、笑顔でお願いをしていた。


結局……


「私、歩けるので、大丈夫です」


そう碓井主任に言ってみたが、


「まだ足元ふらついているんだから、無理をするな」


と、私を支える腕を離してくれる事なく、私は碓井主任に抱き寄せられるように支えられながら、店の外に出た。


「あぁー!七海ちゃん、ずるーい!!」

「いいなぁー!」


案の定、そんな風に、先輩達に絡まれたけど。


「七海は送っていくから。という事で、今日は帰るわ」


私に絡んでくる先輩達を適当にあしらい、碓井主任は私を支えたまま歩き出した。


< 61 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop