しあわせのかたち
「主任。すみませんが、七海さんの事、送って貰ってもいいですか?」


碓井主任に申し訳なさそうにそう言った弥生は、私の方をチラッと見て、ニヤッと笑う。


えっ?ちょっ!?

弥生、何を言ってんのよ!

碓井主任には申し訳なさげな顔をしていたけど、本当はそんな事思っていないでしょ!!

っていうか、上司に送らすってどうなのよ!


弥生の言葉に慌てていると、


「あぁ。まぁ、今日は七海が嫌がっても送るつもりだったよ」


そう言って、碓井主任は弥生にもたれている私の腕をグイッと引っ張り、自分の方へ寄せた。


えぇっ!?

送るつもりだった、って……

それは、部下が酔っぱらっているから?

それとも……

私、だから……?


一瞬、そんなあり得ない想像をしてしまったけど、単に酔っ払いの部下を心配して、そう言ってくれたのだろう。


っていうか、碓井主任が本当に送ってくれるつもりだったとして……

という事は、碓井主任と二人きり!?

嬉しいけど!

嬉しいんだけど!!

そんなの、緊張するよ!!


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