ボクサーな彼女

数日後ー彩は引退会見を開いた。
「本日は私、平崎彩は現役引退を発表させて頂きます」と言った。記者からはさまざまな意見が響くなか、「まだやれると私たちは思うのですが引退を決意した理由について、教えてください」と言われた彩は、ひとつ、間をおいて深呼吸すると、「私は常にチャレンジャーでした。トップになり、追われる身になると、今まで以上に疲れました。そんなときに、私の最愛の恋人は私にプロポーズをしてくれました。これからはその恋人と共に、彼を支えながら、生きたいと思ったからです。私が育てた高校時代の後輩とも、戦うことが出来て私は嬉しかったです。悔いはありません。今後は後輩の指導とかに力を入れて、これからのボクシング界をより良いものに出来るように頑張っていきたいと考えてます」と答えた。そうして、無事引退会見は終了した。
事務所に戻ると、オーナーが、「彩ちゃんの引退セレモニーと題して、夢のラストマッチをプレゼントしようと思ってる。相手は…君がライバルだと言った草津君だ。思う存分戦ってくれ」と言われて、彩は驚きながらも「はい！」と大きくうなずいた。
数日後ー彩と陸はデートをしていた。美味しい食事をしそこで陸は彩にプロポーズをした。シンプルに「長くかかったけど、俺の一生を共に生きてほしい。そしてこれからは今まで以上に苦しみや嬉しさを二人で分かち合っていきたいです。こんな俺ですがこれからもよろしくお願いします。結婚してください」と。彩は、「はい！よろしくお願いします」と頭を下げた。そして二人は結婚指輪を見に行った。二人で選んだ指輪はとても良かった。彩も陸もほんとに嬉しそうに笑っていた。