それでもあなたと結婚したいです。
22 限定秘書

「そうですか!それは凄いですね!!かなり、いい傾向です!今までそこ迄、心を開いた方はいない?……あぁ、いや……うん……いないと思いますよ!」


「先生?」


黒木先生が、明らかに何か濁している。


「木暮 美緒さん。」


白金さんが紅茶をテーブルに置きながら教えてくれた。


「木暮 美緒?」


「白金くん!」


黒木先生の制止を無視して白金さんは続けて話す。

最初は従順な先生の秘書さんかと思ってたけど、よく二人を見ていると、他の人と違って結構先生を尻に敷いている様子。

きっと、特別な関係なのだろう。


「泉様と以前、お付き合いされていた方です。」


「えっ!」


「…………5年前に別れてるんです。彼女には結構頼っていたようで……。でも、急に別れを告げられて、それっきり会っていません。」


「そうですか………。でも、あんな素敵な人を、周りが放っとくわけないもの、当然の話です!全然気にしません!!」


負けず嫌いの気性でつい強がってしまう。


「そうですよね?それを聞いて、安心しました。………それじゃあ遠慮なく言いますけど、彼女との関係は最後までいってたようですよ。」


引き攣った笑顔をキープして、私は黒木先生のドS攻撃に相槌を打った。

私はこの時思った。

本当にこの人、精神科の先生なのだろうかと。

いや、三遊亭 ○楽並に腹黒いだろう。


「花枝さん?聞いてました?」(ニコッ)


「はーい!」(ニコッ)


(負けるもんか!)



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