それでもあなたと結婚したいです。

「そうかな?私はいいと思う。お見合いで出会ってその後、恋愛したのかもだし。それなら、出会いはお見合いでも恋愛結婚と同じじゃない?」


「………!」


「確かに言えてる!!見合い相手が泉CEOだったら、瞬殺で恋に落ちそう!!」


「私も、私も!!それに、聞いた所によると、奥様に泉CEOの方がゾッコンらしいよ!!」


「え~!!それ、初めて聞いた!!誰情報?」


「ネタの信頼性抜群の秘書課だよ~ん!」


「うぁ~マジか!間違いないじゃん!!!」


ダンッ!!


勢いよく机が叩かれた。


「勝手な噂で決め付けないでよ!!」


シーンと静まり返る三人。


「金子さん………?どうしたの?」


いつも、能天気に話し掛けてくる佐藤みくる。

名前も若い世代らしく能天気だ。

いつも、ふわふわ話し掛けてきて勘に障る。

この人達は私とは違う。

騒ぎ立てるだけ騒ぎ立てて、全然本気じゃない。

ただ、噂できる対象が欲しいだけ。

そんな人達が適当に言った言葉に、私は惑わされたりしない。


「適当な噂が秘書課から出たって言ったから。」


「そう………、ごめんね?私が秘書課の人達に、直接聞いた訳じゃないのに。」


「別に……私、ちょっと電話。」


イライラする自分の衝動に刈られて、話す相手のいない電話を掛けるふりをして席を立った。


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