それでもあなたと結婚したいです。

「泉さん。気分はどうですか?一体何があったんです?ここまで、酷い症状は初めてじゃないですか?」


「ええ、やっと分かった…………何もかも思い出したんです。」


「えっ?それはどうゆう…………」


「桑原 日登美…。」


「!!!」


俺の言葉に三人は顔を見合わせている。


「直接会ったんですか?」


「はい…………。」


黒木先生は暫く黙って考えた後、話し出した。


「今日は休みましょう。何も考えずゆっくり眠って下さい。今後の治療は体が落ち着いてからにしましょう。」


「…………はい。」


「それじゃあ、私達は帰りましょう。」


黒木先生は母さんに向かって語りかけた。


「あの…千春さん…。私はまだ一緒にいてもいい………?」


「帰るって言っても帰さないよ。」


黒木先生と母さんが俺達を見て笑っていたけど、俺は恥ずかしくなかった。

今日はもう、花枝と離れたくなかったから。


「じゃあ、私達は一旦帰るわね!今日は二人で話しなさい。ずっと、離れてたんでしょ?」


「あぁ、ありがとう。先生もご迷惑お掛けしました。」


「今更、何を言ってるんですか。」


黒木先生は俺達二人を眺めると、満足そうに笑って部屋を出ていった。


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