それでもあなたと結婚したいです。

寝室に着くと優しくベットに下ろされる。


「俺は全部好きなんだ…全部食べたい………。」


「欲張りね………。」


自分から彼の首に腕を回し、キスをせがむ。

途中まで近寄ると、待ちきれないように私の唇は彼に食べられた。

長く、ゆっくりと、味わうように続くキス。

スタンドを消そうと伸ばす手が止められる。


「まだ、顔が見えないと少し不安なんだ………。」


少し辛そうな顔をして千春さんは笑った。

私は何だか悔しくて逆に彼を組み敷いた。


「花枝?!」


「私をあの人と一緒にするの?」


「えっ?」


「目で確認しないと、私かあの人か分からないの?」


彼の驚いた瞳が私を見つめる。


「そんなのダメ!!」


私は一か八か千春さんの目を覆った。

千春さんはそのままおとなしくしている。


「千春さん………いつまでも不安がってちゃだめだよ。見えなくたって私を感じて………。」


軽く片手で目を覆ったまま又、私はキスをした。


「これが私だよ。忘れないで………。」


「………………………。」


「千春さん…?」


「花枝……愛して…る。」


私の指先に温かい物が触れた。


「私も…私もだよ………。」


この夜、私達はずっとお互いを求め合った。

ベットは勿論、お風呂でも、ソファーでも、料理を食べてるその時でも…………

離れていた時を埋めるようにずっと、ずっと一緒にいた。









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