それでもあなたと結婚したいです。

「はい!食べましょう!」


(取り合えず今は、あんみつに集中しよう。)


「やっぱり嶌屋の黒蜜は美味しいですね!」


(心頭滅却………。)


「あっ!花枝さん。ここ、付いてますよ。」


そう言うと千春さんは、人差し指で私の口元に零れた黒蜜を拭うとそのままペロッと舐めた。


(あぁぁぁぁぁぁ~~!!神様、一体何の修行ですかぁ!!!!)


千春さんって聖人じゃなくて、本当は小悪魔だったりして……。


あぁ、思春期の男子の気持ちが分かるかも知れない。


相手の行動一つ一つにドキドキさせられて、それを一人で耐えなきゃいけないなんて拷問かも……。


(取り合えず、目下の目標はキスだ!キスだけでも出来れば……)


トンッ


「えっ。」


私の善からぬ妄想を、あっさりと一蹴して千春さんは安心しきった顔で眠っていた。


「ふふっ。凄く疲れてたのね……。千春さん……おやすみなさい。」



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