Am I What Colors?ー元姫の復讐ー

○葵の強さ




蓮央は無言のまま葵と私を車に乗せ、発進させる。


葵も、不安げに自分の父親を見上げるばかり。



「パパ……?」


「葵…ごめんな」



蓮央が、ゆっくりと口を開く。



「パパがこんな髪だから、葵も苦しいんだよな……。黒く、するか?」


「え……?」



私も葵も、目を見開く。


黒くするということは、染めるということ。


葵にとってもそのほうがいいのではないかと、内心思ってはいたけれど……。


ちらりと葵を見ると、葵は俯き加減に呟いた。



「…………やだ」


「……葵?」



まさかの拒否に驚く。


葵は顔をあげて、力強く言った。



「あおいのが、すきだもん!!かみさまからのプレゼントなんでしょ?」
< 459 / 469 >

この作品をシェア

pagetop