Am I What Colors?ー元姫の復讐ー
「笑いごとじゃないわよ!! 栗原様はね、【桜蘭】に属さず、孤高の王子として生きているの!! チームを裏切ったあなたとは、生きる世界が違うのよ!!」
どくん、と心臓が鳴る。
また、『裏切り者』...
どうして、みんな信じてくれないの?
裏切ってなんか、いないのに...
「黙れ、ケバ女」
巻き髪女の向こうから、歩の声がする。
彼は巻き髪女の頭を押しのけ、私の腕を掴んだ。
「何も知らねぇお前に口出しされる覚えはない。そのゴミどもを連れてどっか行け」
ご、ゴミどもって……仮にも女子だよ?
孤高の王子っつーか……毒舌王子じゃん。
苦笑しながら見ていると、巻き髪女はショックを受けた顔をして駆けていった。
「チッ……あいつ、このゴミども残して行きやがった。族の風上にもおけねぇな」
歩は舌打ちをして、誰かに電話をし始めた。
「……俺だけど、今から王蘭来い。後処理を頼む。...あ? デート? 却下。じゃあ頼んだ」
歩は返事を聞くこともなく電話を終わらせ、スマホをしまった。
本当、この人って強引というかわがままというか……。