あなた

【TAIGA】

ここからは、俺と愛璃との昔話。

俺たちは、幼稚園の時に出会ったんだ。

たまたま、お隣同士で同時に引っ越してきた。

そのせいか、親同士もとても仲良かったんだ。

よく、どちらかの家に家族ぐるみで来ていたり・・・

だから、いつも俺たちは一緒だった。

幼稚園も一緒だったから・・・

よく2人で遊んでたんだ。

いろいろ行ったりもした・・・

例えば・・・ホタルとか・・・海を見に行ったりとか・・・

でも・・・

俺、お父さんに言われたんだ・・・

『この土地を離れないといけない』って

当然反対した・・・けど、まだまだ幼かったから・・・

俺は、ちゃんと愛璃に話したんだ・・・

だから、引っ越しするとき・・・

愛璃、めっちゃ泣いててさ・・・

泣きながら言ったんだ

『手紙・・・・ちょうだいね?

ずっと・・・・ずぅ~っと・・・待ってるから・・・

・・・・・ぃつか・・・

ぃつか・・・絶対また会える・・・よねぇ?』って・・・

俺は・・・

「ぅん」しか言えなかった。

それから・・・

俺は、この土地に来た。

慣れるのに精一杯で・・・手紙なんて書く余裕も無かった

それより、こっちの友達とかに慣れる方が大事だった。

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