Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜




「――… あ 」




夕暮れの庭


誰もいない家


駆け上がる階段


自分の部屋


電気をつけて
制服 思いきり脱いだら
机から床に、手さげが落ちて


そこからキラキラ
透明のアトマイザーが転がった


拾ったそれを、白い蛍光灯の
輪の中に透かして 振ってみる




――… ずっと 思ってた


屋上の皆で、どこか遊びに行く時
わたしはジュースとか
おごって貰ってばっかりで




だからなのかな
この香水、なんか 使えなかった…




少しだけ、手首につけて
宝物みたいに、ギュッて 握る


… これ、バイト行く時
絶対、つけて行くんだ…




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