Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜



魔法使いが、指さしたのは
アヤちゃんがかけてる、ウスターソース


「……あ〜ね〜!
学食で東京のコ、驚いてました!」




わたしもびっくり
この辺では、皿うどんっていったら
ソースかけるのって、当たり前だから


お酢もかけたりするけど
すっぱいの、苦手だから
わたしはあんまりかけない



「へ?東京だとかけんの?
うまかよ〜!!
ためしに、やってみんちゃいよ
はいっ!!」


「――― あ!!アヤ…!!」


「ん?」




カコちゃんの、止める声もむなしく


アヤちゃんは、魔法使いのお皿に
思いきりソースをかけてしまった…




「…ご、ごめんなさい真木さん!
うちのまだ、かけてないから!」


カコちゃんが慌てて
自分のお皿、渡そうとしたんだけど


真木さんは、お皿を持って
麺を口に、ざっくり運んだ




「…………」


「…………」


「―― ウマいな」


「やろ?!やろ〜〜?!」




ホッと、カコちゃんと二人で
笑いながら、ため息


魔法使い、ホントに
美味しそうに食べてる …――


うれしい…




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