Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜




オデコに汗


駄菓子屋さんの店先


「おばいちゃん、元気しとぉや!!」


「お帰り〜ぃ!スイちゃん!」




… 魔法使いが いない


居間に座っていたおばあちゃんが
土間に出て来て、カバン 持ってくれる




「…い、あのっ
ま、真木しゃん…は…?」


「あああ!
言づて、頼まれてたんよぉ

ちょこっと出掛けてきんしゃーがら
先に出来るばい事、始めててっち」


「…はい!」




―――… よかったぁ


ちょこっとだけ、ひょっとしたら
帰っちゃったんじゃないかって…


安心して
教科書とノート、開いた…


「… さんすうか?」


「あはっ はい!」


数学は、一番苦手で…
テスト最終日にあるのもあって
だから毎日、教わってる




「…おばいちゃんのカレシもぉ
さんすう、得意やったよ〜」


「え…」




なんか…変な感じ


『駄菓子屋のおばいちゃん』は
小さい頃からずっと
『駄菓子屋のおばいちゃん』で
ずっとひとりで、ここに居たから…




「…デートげな、した?」


「ああん
おばいちゃんの若い頃は
デートなんて大仰しい事
恥ずかしくてでけんかったぁ


ばってん〜…
ハイカラな人やったがら

手、引かれて
海ば散歩げなな、よくしよった」


「おお〜!あ、後は?後は?!」


「泳ぎ教えてくれるっち
おばいちゃん、泳げなくてな」




「お! スイ、もう来てたか!」




「―――… 真木しゃん!!」





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