Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜





「ま…真木しゃん…っ!!」




港に着いて 船から出たとたん
強い夜の海風が、体中の服を
バタバタと鳴らす




クルーザーのバックには
ライトアップされた、白い大橋


汽笛


見上げるくらい、大きなフェリーと


今到着した観光用の遊覧船から
お客さんが、いっぱい降りて来てて


笑い声、交差した影が
アスファルトの上




「スイ!
ジーチャンには、連絡入れたんだろ?!」


「… う、 うん!!」




駄菓子屋さんから出て来る時
魔法使いに言われて
おじいさんにケータイで、連絡を入れた


だけど、わたしも慌ててたし
おばあちゃんも、泣いてて ―――




詳しい話、聞ける状態じゃなかったから
"お店で待ってて下さい!"って
それだけ叫んで、切ってしまった…




「場所、駅の裏だっけ?」


「… あっ!うん!
だけん、も… もう一回、かける!」


「繋がったら
バーチャンに渡してあげろ
その方が、一発でわかって早えだろ」


「あ… そっか…!!待っ…――」




不安げに
わたし達の顔を見上げてた
おばあちゃんが


何かに気がついて 前を見た…



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