Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
☆伝えたいキモチ
空 薄暗くなって
雨がポツポツ 葉を鳴らすまで
かなり長い間、二人とも
ボー然としてたと思う
「―――… なしけん…?
なしけん、うちん欲しかったモン
ここに…あっけん…?」
アヤちゃん
ヨロヨロ 立ち上がった
「だ…これ…ずっとカコちゃんの
欲しのっとったドラムやし!!」
わたしは 突っ立ったまま
なにが起きたのか、よく、わかんない…
ただ びっくりして…
頭ん中 真っ白だ…
「――― カコちゃん
これ、欲しかったと…?」
「ガチで、そげんたい!!
や、やけど、こぎゃん太かモン
船乗して ここまで運ぶん、大変やし!
やけん…ずっと…
… ええええ?!なしけん…?!」
「―――… 真木しゃん」
「え?!」
「真木しゃんしか、おらん」
「た、確かに
楽器欲しかっち、話した!
… ばってん!こげん細かく
種類までは話しとらんち!!
… サイトに、うちは欲しか物げな
ぼっこ書いてあっけん…
アドレス教えたん、今日ばい?!」
カコちゃんも、そういう事
あまり言わないタイプだし
わたしも全然、話してない…
「…だけん、真木しゃんだ」
―――… 真木さんだ
こんな 大それた事するの
真木さんしか、おらんもん …―――
アヤちゃんの ケータイが鳴った
鉄砲構えるみたいに
ものすごい速さで
ポケットから引き抜く
わたしも思わず
アヤちゃんの横に 走り込んだ