Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜



外に出ると、もう空気は
ぬるい夜風に変わってた


狭い空には、島みたいに
満天の星とか 見えなくて


代わりに ビルの窓
てっぺん、赤いライトが点滅してる






「――― なぁ? スイ」


「ん?」


「うちらん歌ぁ…
あん人にいつか、届くかいな…」


「アヤちゃん…」


「い、いや!
もう吹っ切れとうんばってんね!」


「素直じゃなかぁー」


「―― 真木しゃんも


真木しゃんも
聞いてくれたら、よかね…」





ビル風


巻き上がる髪




もう一度、 夜空を見上げた




うちらの歌


いつか 届くかなぁ…?


今まで出会った 大切な人たちに ――…









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