Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜
右にゆっくり、流れていく景色
ここから三つ目が
カコちゃんの行っている大学で
その少し先に
わたしの行ってる高校がある
―――… ホントは
同じ高校の三年、アヤちゃんも
五月の最初くらいまでは
島から三人、一緒にここまで通ってた
だけどある時急に
学校に来なくなって…
理由を聞いても、全然言わない
「降りるよ、スイ」
「あ…うん!」
歩道
車両の音が、遠くなってく
代わりに街路樹の葉が、サワサワ鳴って
コンビニや文房具屋さん
大学の門が、すぐそばに見える
アヤちゃん…
どうしたらいいんだろう
迎えに行っても出て来ないし
おじさんやおばさんに伝言を頼もうにも
朝は、漁に出ていて留守なんだ
「♪でんでらりゅうが
でてくるばってんっ♪」
「カコちゃん?」