恋桜
私が、松下君への素直な気持ちを咲希に伝えた時、咲希の表情が今までにないくらい輝いてみえた。
私はそんな咲希を見て、ほんの一瞬、心が揺らいでしまった。
このまま、思い切って、新しい恋に踏み出してみよう。
そうすれば、きっと咲希だって喜んでくれる。
それに、もし上手くいけば、咲希を安心させることも出来る。
松下君に気があるのは事実だし、ずっとこのままじゃいけないことくらい、私だってわかっていた。
‥本当に咲希の言うとおり、これはいい機会なのかも知れない‥。
そんなことを、私は少し考えた。