恋桜
こうして、咲希とは、ずっと話しながら、いつも学校まで歩く。
これは、私達が中学生の時から、一度も変わらない日課だった。
毎朝、咲希と私は、近所の公園で集合し、学校につくまでの間、今まで一度だって話が尽きたことはなかった。
むしろ、私は、これから先もずっと、そんなことなんてないと思っていた。
それなのに、今日の朝は、なぜか咲希と上手く会話が出来なかった。
でも、特にこれといって、変わったところがあるわけでもなく、咲希だって、いつも通りだった。
もしかしたら、上手く話せてないと思っているのは、私だけなのかも知れないと、いつもと何一つ変わらない咲希を見て、そう感じた。