運命のブレスレット
ちょ、ちょっと待ってよ!

なんでそうも勝手に決めるの!


「や、やだよ!なんで今更そんなことしなきゃダメなわけ?っていうか合気道は?私毎日道場に行く予定だったのに!」


私が声を荒げてそう言うと、お母さんは一度目を伏せた後、私の目を見て口を開いた。


「萌南…じゃあそのパーティーに和馬くんも出席するって言ったら?」


「…えっ」

かずくん?

「去年から和馬くん、そういう集まりがある時にはお父様と一緒に顔出してるのよ?」


「……」


「和馬くんなんて、礼儀正しいし、学年1の秀才だし、気遣いも出来て人間的にも素晴らしいって初回の時から話題に上って新聞やテレビ、雑誌沙汰だったのよ?」


「…っ」

かずくん、マスコミにいっぱい取り上げられてるんだ。

雑誌とか全然見ないし、知らなかった…。


「毎回報道されてるから、今度も何かあるわ、多分」

「……」


「どう?萌南。このままのあなたで、そんな和馬くんとパーティーで顔合わせ出来て?」


いや、出来ないよ。そんなの。


私は精一杯首を横に振った。


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