イジワル上司の甘い求愛
だけど、どうして浦島さんは結婚秒読みだというのに私を食事に誘ったり、次の約束をしようとしたのだろう。
「結婚するまでに、千晶とはしっかり仲直りしたかったのかもしれないわね」
私の気持ちをすべて理解しているような口ぶりで目の前の梨沙が、にっこりと笑いながらそう口にする。
「だけど、どうして……」
「遊ばれた、みたいな気分?」
「そんなんじゃないけど……」
遊ばれたなんて思ってない。浦島さんはそんな人じゃない。
仲直りしたかったことだって分かる。
『チャキにとって格好いい先輩であり続けたいんだよ』
そう言って話してくれたこと、言葉1つ1つ。
4年間、『犬猿の仲』だって言われ続けていても私のことを暖かい目で見守り続けてきてくれた浦島さんが嘘をついているとは思えない。