イジワル上司の甘い求愛
「チャキ、お前あの夜からずっと俺のこと避けてただろ?」

「浦島さんだって同じじゃないですか?!」


だって、そうだ。私だって、浦島さんの気持ちなんか知らなかったけれど、一夜の過ちなんだろうってずっと思ってた。

私の言葉に思わずきょとんとしたのは浦島さん。

「……だって、浦島さんカイセイハウスの打ち上げの後だってすぐに帰ったじゃないですか?」

『話がある』って言ってたのに、浦島さんは足早に会場を後にしたんだっけ。

その後ろ姿を見ながら、私は避けられているに違いないって確信したんだった。

「あっ、あれは、部署内でトラブルがあって、急な出張が入ったから顔だけ出してすぐに帰ったんだ。あれ?大岩さんから聞いてない?」


そんなこと初耳だ。

そういえばあの日の大岩さんは達成感のせいか、へべれけになっていてまともに話ができる状況ではなかったんだっけ。


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