イジワル上司の甘い求愛

智哉さんの言葉に私は、少しだけ考えてから首を横に振って見せた。

「えっ?!」

きっと予想外の私の答えに一瞬、動揺した表情になる。

「ううん、あの日があって今日の私たちがあるんだって思うんです。だから智哉さんと今日から、1から始めたいです。……ダメですか?」


やり直しなんかしなくっていい。
これまでのさんざん遠回りした経緯があってこそ現在があるんだもの。

今日から『智哉さん』と2人で歩いていきたい。

「ダメじゃないに決まってる」

私の返事に胸を撫でおろした智哉さんが、私を笑いながら思い切り抱き寄せる。

うん、これでいい。じゃなくってこれがいい。

『智哉さん』のこと1から知っていくんだ。

そう思ったら智哉さんが急に愛おしく感じて、私は智哉さんの背中に手を回して抱きしめる。


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