イジワル上司の甘い求愛

『打倒、浦島さん!!』

創立パーティーでの一件で、そんな思いを掲げた私。

だけど、そんなこととは全く知らない浦島さんは、しばらくはいつものように私のことを後輩として優しくしてくれてたんだっけ。

『有瀬さん、ちょっと飲みに行かない?』

そう誘われることも時々あったんだった。

「遠距離恋愛中なんですよね?それなのに女性を飲みに誘うなんてヤキモチ妬かれますよ!!
しかも相手が社長令嬢なんだから、私そんなことしたら明日から出勤できません!!」

何かにつけて浦島さんの誘いを断って、避けるようになった私に、浦島さんは毎回とても傷ついた顔をしていた。


しばらくそんな関係が続いたけれど、あれから4年。

浦島さんはあまり私に話しかけなくなってる。

例え話しかけても、不自然という位にそっけない。
私だって自ら進んで話しかけないし、会話してもどこかつっけんどんな言い方になってしまう。


そりゃ、他部署から犬猿の仲と噂されても仕方ないってところか。

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