イジワル上司の甘い求愛


「『犬猿の仲』なんかじゃないんだけどなぁ」

昼休み。
同僚の梨沙と近くのカフェでランチ食べながら、私は大きくため息を吐いた。

「でも千晶にとっては『犬猿の仲』って思われていた方が都合がいいんじゃないの?企画部のイケメンエースの浦島さんと高校から浦島さんの後輩である有瀬さんが『犬猿の仲』ってことは、我が営業部まで伝わってきていますけどね」

ケラケラと可笑しそうに笑いながら、わざとらしく喋る。

「ただ、私はあいつに負けたくないだけなのに」

同期入社の梨沙は、なんとなく気が合っていつの間にか同期というより親友と呼べる仲で、社内で唯一私とあいつの関係を分かっている人物。

梨沙は私の気持ちなんて全て分かっているというように小さく何度も頷いた。

「浦島さんに千晶は認めてもらいたいだけなんだもんね?」

「別に、そんなんじゃ……」

梨沙の言葉に私は頬を膨らました。

私は認められたいんじゃない。負けたくないだけ、それだけなんだ。


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