【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
「もしかして、この間のあいつ……結城のことで泣いてたの?」
「……」
何も答えられずに俯くと、そこで春樹くんとの距離に気づいた。
春樹くんの影が私の影を覆ってしまうほど、私達の距離は近くて。
「俺なら、未央ちゃんにそんな顔させない、絶対」
顔を上げると、すぐそばに春樹くんの顔があって。
「え……?」
そう呟いた、次の瞬間だった。
ぐいっ
腕を引かれたかと思うと
私の身体は春樹くんの腕の中に包まれていて。
「…っ」
目を見開いた私の耳に届いたのは
春樹くんが紡いだ言葉。
「俺、未央ちゃんのことが好きなんだ」
───この時は知る由もなかった。
曲がり角の向こう側
そこにいた
彼───結城くんの存在を。
* * ・ * ・ * *