【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜


そして、結城くんは私の手を引いて歩き出す。




まるで私を引っ張ってくれてるみたいに。




それは、いつも弱虫な私を結城くんが引っ張ってくれてる、私達の関係そのもので。




「大原の手、あったけぇ」




「……はい」




この温もりが、結城くんの身体を少しでも温めてくれたらいい。




こんなにも寒い空の下で待ってくれてたんですから……。




私のことを考えて待っていてくれたのかな、とか思うと胸が熱くなる。




だって、こんなこと男の子にされるのなんて初めてで。




「結城くんって、心配性ですね」




結城くんの背中にそう投げかけると、結城くんはこっちへ振り向き、いたずらっ子みたいな笑顔を見せた。




「心配性になったの、あんたと出会ってから」




「……っ」




そうやって、また君は、私の想像を超えてしまうんだ。




───おかしいです、私。




結城くんは男の子なのに


もっと、結城くんのこと知りたいと思ってしまったんです……。






* * ・ * ・ * *


< 55 / 244 >

この作品をシェア

pagetop