【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
そして、結城くんは私の手を引いて歩き出す。
まるで私を引っ張ってくれてるみたいに。
それは、いつも弱虫な私を結城くんが引っ張ってくれてる、私達の関係そのもので。
「大原の手、あったけぇ」
「……はい」
この温もりが、結城くんの身体を少しでも温めてくれたらいい。
こんなにも寒い空の下で待ってくれてたんですから……。
私のことを考えて待っていてくれたのかな、とか思うと胸が熱くなる。
だって、こんなこと男の子にされるのなんて初めてで。
「結城くんって、心配性ですね」
結城くんの背中にそう投げかけると、結城くんはこっちへ振り向き、いたずらっ子みたいな笑顔を見せた。
「心配性になったの、あんたと出会ってから」
「……っ」
そうやって、また君は、私の想像を超えてしまうんだ。
───おかしいです、私。
結城くんは男の子なのに
もっと、結城くんのこと知りたいと思ってしまったんです……。
* * ・ * ・ * *