この思い秘密です
そして今に至る。なのだ

・・・だけどこんなところでしゃがんで唸っても仕方がない。

時計をみると16時

「あっ!今日はスタジオだった・・・」

私は重い腰を上げ淳平のいるスタジオへと移動した。


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スタジオでは既に淳平がギターを弾きながら譜面とにらめっこしていた。

こういう時、話しかけると大概「あっち行ってろ!気が散る」って言われるので

とりあえず私がいることを伝えるとあとは『外にいる』とか『屋上にいる』とジェスチャー

で伝える。そしてなにか用事があればメールか電話を入れるということになっている。

淳平の曲作りに対する姿勢は素晴らしいんだけど・・・

悲しいかなヒット曲がここ2年ほどない。

基本自分の作ったものが一番だと思っているから

アドバイスとか意見を出しても聞く耳を持とうとはしない。

苦労しないで人気が出たからなのかもしれないけど

そのつけが今来ているということを

言わなくちゃいけないかと思うと憂鬱だった。


淳平に『屋上にいるから』とジェスチャー混じりに話すと淳平はうんと無表情で頷き

再び曲作りを始めた。
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