この思い秘密です

最初は単なる好奇心で凪に好きな男の事を聞いてみたが

なぜか凪は頑なにそれを拒んだ。

だからもしかして凪の好きな人は・・・俺の知っている人なのかもしれないと思った。


そしてレコーディングが始まって凪がなぜ拒んだのかがわかった。

あいつの好きな男は坂下さんだと気づいたからだ。

二人でこそこそ話をしていたり、俺といる時よりも凄く楽しそうだった。

でもあの坂下さんだよ。

凪には申し訳ないが二人がお似合いのカップルだとは思えないし

例え付き合ったとしてもうまくいくとは思えない。

だけど凪の書く詞の内容は坂下さんへの思いが溢れていて・・・

そこまで思われている坂下さんが羨ましくも思えた。

だが当の坂下さんはそんな凪の気持ちに全く気が付いていない様子でイライラした。

そんな中レコーディングが進むにつれ俺の中で

俺だったら・・・坂下さんじゃなくて俺だったらって思うようになった。

今まで凪の事をひとりの女性として意識したことはなかった。

単なるマネージャー

そりゃそうだ・・・俺たちの中で恋愛要素のある会話などなかったし

凪は俺のプライベートには自己責任でいうだけで仕事以外のことには

踏み込んで来なかったし俺も凪のプライベートには興味などなかった。

それなのに立場が同じになった今、凪の書く詞を読んで初めて

凪に女を感じだ。


そんな自分の気持ちの変化に自分自身がついていけず

どうしたらいいのかわかんなくなって・・・

でも2人が楽しそうにしているとなんだかイライラして

本心じゃないのに凪に強くあたってしまって・・・・

挙句の果てに

ユニット辞めるなんて大人気ないことを言って凪を困らせてしまった。
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