愛してるって囁いて
その夜も、洸は、宣言通り
思う存分、私を抱き
二人して、すやすやと眠った。

翌日からは、また、いつもの日々で
ただ、違うのは、夕飯をつくり
洸が、帰るのを待って
一緒に食べる。

洸は、中々早く帰れないから
ピアノを運んでもらい、
練習をしながら待つようになったり
お姉ちゃんと食事に
行ったりして過ごした。

週末には、
洸のお家へ
ふぅ、緊張する。

洸は、そんな私をみて、ニヤニヤしてるが。

洸の家は、大きなお家だった
「洸って、お坊ちゃん?」
と、訊ねると
「普通だろ。」
と、言ってるが。

洸に、手を引かれ
「ただいま。」
「おじゃまします。」
すると、お母さんが
「いらっしゃい、どうぞ、上がって。」
と、通された部屋に
お父さんが座っていて
「とうさん、かあさん
こちら、大垣沙代さん。
沙代と結婚する、
沙代のお父さんとは、話した。」
と、簡単に説明する洸に
「はっ、はじめまして
大垣沙代です。
宜しく、お願いします。」
と、挨拶をすると
「兄貴が、こんな可愛い子
連れてくるなんて大雪がふる。」
と、弟君。

お母さんも
「沙代さん、いいの?
こんな、愛想なしで。」
と、言われて
お父さんは、
「お前たち、要らんことを言うな
沙代さんが、困っているだろう。
沙代さん、はじめまして。
洸の父です。

親だから、こいつの、幸せは
願ってましたが、
きっと、一生独身だと
思っていました。

優しい子なんですが、
中々、それを表に出せない所があるから
心配してました。

良かった、あなたのような人が
伴侶になってくれて。」
と、言ってもらえた。
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