強引上司の溺愛トラップ
「ん、んっ……」

角度を変えて、何度も口付けられたあと、ぬるっと、口の中に今まで味わったことのない感触が入ってきた。課長の舌が、私の舌に絡み付いてきて、驚いて逃げようとするけど、頭を押さえつけられている以上、どうすることも出来なくて。


「ん、ん~……っ」

恥ずかしさのあまり、色気のないうめき声のようなものを発すると、課長はようやく唇を離してくれた。


「なんだよ。いい年して、舌入れられたくらいでビビって」

「だ、だって初めてなんですもん!」

「そりゃそうだ」

アハハ、と課長は声を出して笑った。

課長のこんな笑顔が見られるなら、恥ずかしい思いをして良かった……なんて思ってしまう私は、自分が思っている以上に、課長に対して、末期のようだ。



すると課長は、私の額に自分の額をコツンとぶつけて。



「じゃ、続きはもうちょっと経ってからな」


と言った。



はい……と、呟くように発した私の言葉は、課長にちゃんと届いただろうか。

課長は私に、もう一度キスをした。今度は、触れるだけの、優しいキスだった。
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