強引上司の溺愛トラップ
「そうか」

課長はそう答えるのみで、私たちの間にはまた沈黙が走った。


やっぱり、この沈黙は辛い。いっそイジられた方が気が楽かもしれない。そう思い、

「い、いつから、気付いてました? 私、そんなにバレバレでした?」

と尋ねるけど、


「まあ、何となく気付いたというか。多分俺しか気付いてなかったと思うけど」

と返される。
うーん。答えになってるようななってないような。他の人に気付かれていないのなら安心だけど。

でも、

「じゃあ課長は、何で気付いたんですか?」

という疑問がわいたので、そのままぶつけてみる。



……すると。




「……お前のこと見てたからじゃねーの」

答えると同時に、課長は急に、顔を私に近付けてきた。



「わ……っ」

私は驚いて、思わず慌てて後ずさった。

またしても、気まずい沈黙が訪れてしまう。

で、でも今のは仕方ないよね……!課長、何で急に顔を近付けたりなんて……!
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