強引上司の溺愛トラップ
「いや、いい。お前先乗れ」

「え? でも……」

「酔いも落ち着いてきたし。ていうか女の子をひとりこんなとこに置いてく訳にはいかない」

「いえ、そんな……私、電車で帰りますし」

「いいから。金出すからタクシー乗ってけ。今日迎えないんだろ? 駅から家までが一番危ないんだろうが。いいから早く乗れ。運転手睨んでるぞ」

パッと視線を動かすと、確かに運転手さんがイラついているように見えた。


「え、えと……じゃあ、乗ります……。あ、後ろにタクシーもう一台来ました! 課長、あれに乗ってくださいね!」

「はいはい。これ、金」

「えっ⁉︎ あっ……ちゃんと月曜日に返しますから! お先に失礼します!!」

そう言って、私は慌てて後部座席に乗り込んだ。



「お客さん、どちらまで?」

「えと、S区の……」

自分の家の住所を伝えていくと、その最中で、バンバンバン!と、後部座席横の窓が叩かれる大きな音がして、ビクッと体が震えた。

振り返ると、それは課長だった。
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