イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「どうしました?」

歯を磨き、着替えも済ませて出て来た倭人。


「公務用のパスポートも持ってんだな」
俺は手にしたパスポートを倭人に返した。


「これを見せれば、どんなトラブルも回避出来そうな気がして」


「水戸黄門の印籠みたいに言うなよ」

「こんなの普通の民間人は持てませんから…」

パスポートをブランド物のボディバックに詰め込んだ。


「持っていくのか?」

「これは一番大切なモノですから・・・」


「秘書官続けるんだな」


「結愛の件で総理にはお世話になりましたから・・・」
倭人はおろした前髪を照れ臭そうに掻き上げた。


今の総理の父親が全ての黒幕。息子である総理も全てを知っている。

もしかして…昨日の倭人の話したある男性とは…今の総理?







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