イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「岩佐さんは本当に俺からの仕事は受けないつもりか・・・お前はエリートから好かれるオンナらしい」


「そんなコトないと思います」

「岩佐さんはお前に本気だから、お前を妻にした俺との仕事は受けないつもりだ。
草壁倭人か・・・岩佐さんの紹介なら、本当に優秀なヤツなんだろうな・・・」


悠真さんは草壁さんの名刺を上着の胸ポケットに忍ばせた。


そして、フォークとナイフを手にすると切り分けておいた肉を口に運んだ。



コース料理も後デザートとコーヒーのみ。
デザートは旬の苺のブランマンジュのラズベリーとミント添え、チーズスフレケーキ。

緊張しちゃって、デザートが喉を通らない。


「もうお腹がいっぱいか?」


「あ・・・いえ・・・その・・・」


頭の中がゴチャゴチャして、上手く言葉を紡げない。


「それとも、この後のコトを気にしてんのか?」


「それは・・・」

言葉を濁らせ、必死にブランマンジュを口に運んだ。


「俺もだ」


悠真さんははにかんだような顔をして呟いた。


「今、何て言いました?」


「ん、気にするな・・・」

悠真さんは向きに返すのだった。


経験豊富な悠真さんが緊張しているなんて、きっと私の思い違いだろう・・・




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