水曜日の片想い


「なんだよ、急に真剣な顔して」


橘くんが小さく笑う。


その笑顔に、心臓が大きく音を鳴らした。

花火の音より、わたしの鼓動の方がよっぽどうるさいや。


「わ、わたしね……」


かっこいい告白の仕方なんて知らないし、勝算だって全くない。


フラれるかもしれない。迷惑かもしれない。

わたしのことなんて、なんとも思ってないかもしれない。


でも、言わせて。


スッと息を吸い込んで、真っ直ぐ橘くんと向き合った。


たった2文字、これがわたしの運命を変える。





「好き」





わたしの声に混ざりながら、夜空には大輪の花火が打ち上がる。

頭上にはドーンッと弾ける音が聞こえた。




「橘くんのことが、ずっと好きでした」


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