水曜日の片想い


「ごめん!あの……無理やりーーー」


「まぁ……たまには甘いのも悪くないかもな」


「た、橘くん……」


優しすぎて涙が出そう。

無理矢理食べさせたのに文句のひとつも言わないなんて。

さりげない優しさがきゅんポイントすぎてつらい。

橘くんはどこまで好きにさせれば気がすむの?


「瀬戸は甘いものが好きなのか?」

「あ、うん」


ちょっとだけ溢れてしまった涙を手で拭って、力のないへらへらとした顔で笑った。

その後すぐに「ふーん」と興味なさそうに橘くんが言う。


えっと……何が知りたかったのかな。

特に言葉の続きはない。


途切れてしまった会話はこれ以上続かなかった。


まぁ、いいか。

今日は橘くんとたくさん話せてるからもうなんでもいい。


図書室ではいつも本を読んでるから話せなことが多いし、

挨拶だけで終わることだってある。


でも今日は本は隣に置いてあるものの、わたしと話をしてくれてる。

本より優先してくれてるのかな……。


うん。

かなり幸せだよ。


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