ずっと…………
無事高校生になりました。
 ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ
カチッ 「んー、あと5分」

ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ
カチッ 「あと…………あぁァァァァァァ」
「やべぇ、今何時だ‼ 
 クソッあと30分ねぇ。遅刻確定じゃん
 今日入学式だってのに、サイアクだ…」



「行ってきまーす」
俺は暮らし始めたばかりのマイルームに
挨拶をして学校へと向かった。
今頃は体育館で入学式が
粛々と進められていることだろう。
マジで時間を戻したい…………



 ガラガラガラ


「「「………………………………」」」

「…………おっ、おはよーざいます」

「あっ、おはよう。
 武本 真洋(たけもと まひろ)君かな?」

「はい。遅れてすみません」

俺が頭を下げると担任はニコニコと笑って首を横に振った。

「気にしなくて良いよ。
 あとでゆっくり聞かせてもらうから」

「…………」

「じゃあ席に着いてくれるかな?
 まだホームルームの最中だから」

「はい」

俺はクラスメイトの視線を感じながら
自分の席に着いた。
その中でも俺に、ムカつくニヤニヤ笑いを
寄越してくるヤツが約1名。

「じゃあ皆、今日は入学式お疲れ様でした。
 明日は遅刻がないようにして下さいね」

「っ‼」

「武本君は帰り職員室に寄るようにね?」

「…………はい」


高校生活初日
俺は入学式に出席しないという
近年稀にみるビックリ体験をした。

「よぉ、真洋。
 さすが不良君はやることが違うなぁ
 まさか入学式のバックレとは(ニヤニヤ)」

「あん? ざけんな、誰が不良だ、あ?」

「そういうトコだっつーの」

「るせー。
 だいたい誰が好き好んで
 高校生活の第一歩で恥かくんだよ」

「んー、真洋君とか?」

「っ‼ 暁(あきら)ぶっ飛ばす」

「やれるもんならやってみろよ。
 でもお前、木ノ下先生に呼ばれてんだろ
 良いのかぁこんなトコロで油売ってて」

「うっ」

「ほら、さっさと行って来い。
 待っててやるから」

「マジで‼」

「ほらほら」

「ワリィ、ちょっと行って来る。
 絶対に帰んなよ‼」

振り向いて念を押すと
暁はヒラヒラと右手を振った。
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