花火




私の部屋と悠樹の部屋は隣

窓を開ければそこから隣の家にいける
くらい近い。

だから私が泣いてることを悠樹は気づいてる。

そろそろ泣き止まなきゃ。

悠樹が心配きて私の部屋にきちゃう。

がちゃ

ほら、私の部屋の窓はいつでも悠樹が入ってこられるようにあいてる。

今日だけはそのことを後悔した。

閉めとけば会うことも泣いてる姿を見られることもなかったのに。

「おい、どうしたんだよ、夏希」

言えるわけない。悠樹が好きなんて。

私は悠樹の顔みるとさらに泣いてしまった

悠樹は困った顔して

「しゃーねーな今だけだぞ」

っていって抱きしめてくれる。

だめだよ。そんなことしたら期待してしまう

「夏希、おばあちゃんのこと思い出してたの?」

ちがうよ、ちがうけど

「うん…」

「そっか、言いたくなかったら別に言わなくてもいい、俺はそばにいるから」

悠樹はわかってる。私がおばあちゃんのことで泣いたんじゃないことを。

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