白い嘘

嫌い

「好きです…」


なんで、こうなるの?


ねぇ、教えてよ


誰か…


頭の中で廻る言葉は、もう二度と聞きたくなかったもの。


『好きです………』


なんで


あの時と今が重なる。


昼休みの中庭。


お弁当を食べるために、ベンチに座ろうとした時。


風が冷たくなってきたな、なんて思ってた時。


急に近づいてきた人影。


私の前には頭を下げている名前も知らない男子。


「‥‥‥‥。」


私は、ベンチからお弁当箱を取って逃げるように走る。


周りの風景がビュンビュン駆けていく。


風が痛い。


心臓も痛い。


なんでこうなるの?


私は、あの人の事知らないのに。


あの人も私の事知らないのに。


話したこともないのに。


なんで


『好きです………』


あの時と同じ。


だから、嫌なの。


私も。


全部。


無くなれば、いいのに。


全部。


無くなれば………

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