ノイジーマイノリティー



「電話ありがとう愛果



愛しているよ



近くにいてやれなくてごめん」



受話器の向こうからは



何も聞こえてこない



でも



その静けさが



ハルの気持ちを伝えてくれた



「私の方こそ、忙しいのにごめん



また電話していい?」



ハルの笑い声がした



「もちろん、待ってるから



いつでも寂しくなったら



電話しておいで」




私はありがとうと言った



「リハーサルは順調なの



名古屋に来たら必ず行くね



楽しみにしてる」




その言葉にハルは



小さな唸り声をあげた



もう、全然自信なし



そうハルが笑った




「ハル、ありがとう



私の方こそ一緒にいれなくて



ごめんね」



ハルはいいよと笑う



ハルも戦ってるんだ



そう思った



「愛果、俺のこと好き?」



突然ハルがそう聞いた



もう駄目だ



恋しくてたまらない




「うん、愛してる」



自然に言葉になった




「すごく愛してる



すごく逢いたい」



そう言ってみる



「俺も」



言いたいこと言ったら



気持ちが楽になった



「ありがとう、愛果



元気になった



もう、時間だから行くね」



受話器の向こうに



ざわざわと人の声が戻ってきた



「うん、わかった



また電話する



頑張ってね」



そう言ってボタンを押した



部屋の音が耳に入ってきた



外を走る車の音



沢山の音があることに気付く



今夜は



ハルの演奏したCDを聴こう



そして



ハルに教えて貰った



とびきり素敵な



love songを



気の済むまで聴く



あなたからの


メッセージだと思って





< 37 / 91 >

この作品をシェア

pagetop