それでもずっと愛してる

想い



━━━━


「ふふふ・・・」

私は、そのときのことを思い出して含み笑いをした。


「おい、結衣、いくら甘い物に目がないからって、笑いながら食べるとか…」

相庭くんが、呆れるように言った。


私たちはドレス選びを終え、次は引菓子を選ぶことにしたのだ。

引菓子は、やっぱりマカロンだと宝石のように並んだマカロンを前に

笑ってるんだから、仕方ないけれど…



「なんだか、マカロン見てたら、甘いものが好きだったおじいちゃんのことを

思い出していたの」


相庭くんが懐かしそうに目を細めた。



「じいちゃん、別に甘いものが特別好きなわけじゃなかったんだぜ」

「え…でもいつも、甘いものをいっぱい抱えて…」

「結衣が来るからだよ」

「え…?」

「結衣のために、甘いものをいっぱい買ってたんだよ」


「そうだったんだ・・・・ホント、楽しくて、優しくて、いいおじいちゃんだったね」


< 28 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop