この1時間は、俺のもの。
「ちょ、なにしゅる、」
泣き顔を挟まれたまま、抵抗する。
「あのなー、流子。そういうところが惜しいんだよ」
そう言って手を離す藤原。
「どういうこと」
藤原はカフェラテを一口飲むと、話し始めた。
「だからさー、自分のこと、『わたしなんか』って、そのなんつーの、卑下?とかやめなよって言ってんの!
流子はさ、いつも勉強して、頑張ってて、それは良いと思うし素敵だと思う。
でも、時々、きつそうに見えるよ」
それに、と藤原は続ける。
「流子は『自分はキラキラする部類の人じゃない』って思いこんでる。
俺みたいなやつとは、住む世界が違うって思ってる。オシャレしたり、カフェ行ったり、恋したり......自分はそんな世界と無縁の青春だって、自分を決めつけてる、違うか?」
そう問いかける藤原の目が、いやに優しくて。
また、涙があふれた。