心ーKokoroー







その感情は

男性が物心ついた時には

すでに存在していた



その感情をいつか表に出したい

それだけを男性は夢見ていた

感情を表に出した自分を想像するときだけ

普段真顔の男性の顔に

笑顔が浮かんでいた




だけど表に出すのには

それなりのデメリットがあった




だから頑張って押し殺そうとした

しかし押し殺そうとすればするほど

感情は強くなっていく





いつしか

男性じゃ抑えきれないほどに





そして

ある時爆発した






「フハハハハハハハッ!

俺様の夢が
叶ったぜ―――ッッ!!」





鋭い出刃包丁の柄を強く握りしめながら

男性は真っ赤な鮮血を浴び続けた








殺人衝動






それが男性の心に渦巻く

どす黒い感情の正体だった









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