アイツを想う君を、僕はただ見つめている。
君の瞳に映るもの

僕の瞳に映る君は、いつもアイツを見つめている。

アイツを想っている君はとてもキレイで、その瞳に僕が映る事はないとわかっているのに、僕は君から目が離せない。



僕とアイツは幼稚園の頃からの親友で、小学校も中学校も同じで、高校も当たり前のように同じ学校を選んで進学した。

高校の時に同じクラスになった僕たち3人は、いつも一緒にバカやって笑っていた。

高校を卒業して進む道がバラバラになっても、3人で頻繁に会う。

当たり前のように、3人で。



僕は高校生の頃から、密かに君を想っていた。

卒業式の日に君に気持ちを打ち明けようかとも思ったけれど…。

僕は知っていたんだ。

君がずっとアイツを好きだった事を。

僕には見せる事のない笑顔をアイツにだけは見せる事を。


アイツを見つめる君の瞳に僕が映る事はない。

僕のこの手に、君を抱きしめる事はできない。

だから僕は、君への想いが枯れて死んでいくまで、友達の顔をしていようと決めた。




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