腐女子姫と七人の王子様



  ドカガダン!!



アイリがバランスを崩して転んだ。

「えええええ?!うっそ、初耳なんだけど!私はまだいたことも無いのに、なんでアユさんにはいるの?!」

「さらっと失礼だな、うぉい!!」 

こいつとは小学校からの仲だけど、本当に失礼なやつだ。

私の方が五歳も歳上なのに。

「あ、もしかして……ねえ、それほんと?『私の彼氏は一個下です♡次元が(笑)』みたいな二次元彼氏オチなんじゃないの?」

「ちげーって。ほんとに三次元でいるよ」

それでも、アイリは疑いの目をやめない。

「ホントかな~?じゃあその彼氏って誰?どうやって付き合ったのか教えてよ!」

ほんとだっつーの!

……くそっ、こいつには、一から説明しないと信じてくれなさそうだ。

「いいよ、上等だ。あんな経験、忘れたくても忘れらんないわ。隅から隅までたっぷり聞かしてやんよ。


最初に会ったのは、一年前。つまり私がTGGに入る前。高校二年の十七歳のときで―――」







< 3 / 71 >

この作品をシェア

pagetop