どうしても‥‥君が好き
挨拶の時 

哲は、次の日曜日に、
私の家へとやって来た。

父は、哲を見ると
いきなり、殴り付けた。

「お父さん!!」と、叫ぶと

哲は、
「桜子、大丈夫。」
と、言いながら
父と母の前に正座をして
「改めまして
二年前、桜子さんを傷つけてしまい
申し訳ありませんでした。
どんなに謝っても、
自分がしたことは、なくなりません。
ですが、桜子さんを思う気持ちには、
偽りはありません。
どうか、桜子さんとの、結婚を
許してください。」
と、頭を下げる。

父から、
「桜子は、どうなんだ?」
と、訊かれて

「私は、哲と共に生きていきたい。
お父さん達には、沢山心配かけたけど
私からも、お願いします。」
と、頭を下げると

「そうか。
それなら、父さんは、反対しないよ。
そのかわり、理不尽なことで、
桜子を二度と泣かせないでくれ。

親バカだが、桜子は、俺と妻の
宝物なんだ。
いつまでも、幸せであってもらいたい。」
と、言ってくれた。

哲は、
「肝に命じます。
必ず、 二人で幸せになります。
本当にありがとうございます。」
と、再び頭を下げるから
私も
「お父さん、お母さん。
本当にありがとうございます。
心配ばかりかけてごめんなさい。
私も必ず、哲と幸せになります。」
と、頭を下げる。

お母さんは、
ずっと涙を流しながら
頷いてくれていた。

〘 ありがとう。
私、父さんと母さんの
子供に産まれて、本当によかった。
幸せでした。〙
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