運命の人
「はぁ〜、文化祭の準備大変だなぁ…」

たくさんの人から荷物を預けられた葵は放課後、教室にそれを運んでいるところだった

「教室嫌なんだよな…放課後に女の子1人だよ⁉︎…ってこんな独り言言ってても悲しいだけだよね…」

ガタ…ッ

「うわぁ‼︎」
(ってあれ?こけたのに…痛くない?)

「っと、おいおい大丈夫か?」
「なっななななんでこんなところに小林君が⁉︎」
「なんでじゃねぇだろ、俺ら一緒の実行委員だろ?」
あ…そうだった…,

この人は小林司君。私と一緒に実行委員をやっています。
男の子…嫌なんだけどなぁ…
早く行ってくれないかな…

「お前今、嫌だなって思っただろ?」
え、うそバレてる…

「お前そんな顔してたぞ?…まぁ嫌なら行くわ」
「あ、あの!その…助けてくれてありがとう」

ドキ…ッ

ん?なんで俺ドキッとしてんだろ…
あ、メガネとれてるからいつもと雰囲気違ったんだ。

「ほらよ、メガネ落としてるぞ」
「え?あ、ほんとだ!全く見えないどうしよう…ごめん小林君。拾ってくれないかな?」
「ったくしょうがねぇな、ほら、かけてやるからじっとしてろ」

カチャ

っっっ!!!顔近い近い近い!むりむりむりっっっ!!!
「ん?あー、あんたって確か…男が嫌いなんだったよな…?」
「嫌いと言うか、その…苦手なんです。怖くて、ごめんなさい助けてもらったのにこんなこと言っちゃって…」
「どうして苦手なんだ?」

……

「ごめん、俺変なこと聞い…
ゴホッゴホッゴホッ!!
「!?どうした?大丈夫か!?」
「…すみません、平気です、」
「でも顔色が…」
「ほ、ほんとに‼︎大丈夫ですから、荷物任せます!失礼します!」

ビューーーーン

「なんなんだ?あいつ。」
けど…きっと聞いちゃいけねぇことなんだろうな…


ゴホッゴホッゴホッ!!
はぁ…はぁ…っ
「…っう!!」
ゴホッゴホッゴホッ!!
(ダメだな…思い出しちゃいけない。早く忘れなきゃ。忘れなきゃ…)
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