幸せの定義──君と僕の宝物──
「アイツ、本気でハルに惚れてる。」

「えっ?!いつの間にそんな事になってんの?」

驚くユウに、トモは嬉しそうに話を続ける。

「ハルの大事さに気付いたんじゃね?でもまだ彼女とも言えねぇんだ。ハル、まだ15だろ?ハルが大人になるまで待つんだってさ。」

「リュウ…気が長いんだな…。ってか、大人なのか…やっぱ真面目か?」

「そんだけ大事なんだろ。」




スタジオを出た後。

ユウは誰かに肩を叩かれ振り返った。

「リュウか。お疲れ。ハルちゃん遊びに来てるんだな。」

「ああ…。普段はあまり一緒にいてやれないから、夏休みくらいはと思ってな…。」

リュウは相変わらず照れ臭そうにしている。

「ハルとゆっくり向き合ってみる事にした。」

「そうか…。そう思えたって事は、リュウも前に進めたんだな。」

ユウがそう言うとリュウは穏やかに微笑んだ。

「不思議なんだけど、ハルと一緒にいると落ち着くしな。ハルを幸せにしてやれんの、オレだけなんだってさ。それも幸せだと思う。まぁ…ハルが大人になるまで待つつもりだけどな。」

「気が長いんだな。」

「そうでもねぇ…。でも、ゆっくり行くさ。」

「ハルちゃんの花嫁姿、楽しみにしてる。」

「気長に待ってろ。」

少し照れ臭そうに、でも、とても幸せそうに笑うリュウを見て、ユウも幸せな気持ちで微笑んだ。

(リュウも自分の幸せを見つけたんだな…。)




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